子供の頃から物を創る事が好きでした。空想した事を絵に描いたり、手近な材料で創ってみたり。
将来の事を考える様になった頃には、身の回りの物は、すべて自分でデザインしたいと欲張ったことを考えていました。
そんなところから、広くデザインについて考えることが出来そうな学校へ入りました。その後、少しでも括りの広そうなインテリアデザインの方向に進みました。
学校を卒業し、インテリアの設計施工の会社で、飲食店舗、物販店舗、住宅、注文家具等をデザインするところから実際に物を作って納品するところまで、10年間みっちり学びました。
小さな会社でしたので、打ち合わせ、構想、デザイン、意匠設計図作成、実施施工図作成、積算、職人さんの手配折衝、工事行程の管理、現場の管理、現地墨出しから、什器や製作物の運搬、納品引き渡しまで、全部自分でやりました。
バブル期の繁忙期にはどうにもならない人手不足で、自ら職人さんの真似事までする様になってしまいました。電動ハンマーハツリ機でのハツリ、コンクリートブロック積み、軽量鉄骨の現場加工溶接等かなりハードな作業から、家具の組立、器具類、金物類の取付、などなど、挙げて行けば切りがないですが、一人前とは言いませんが七割五分人前くらいには一通りの事が出来る様になってしまいました。
社長は大変厳しい人でしたが、他人に厳しいと同時に自身に対しても大変厳しい人で、私はこの人から色々な事を学びました。
私たちの世代では当たり前の事ですが、製図は手書きで覚えました。早くより Macintosh (Plus) を使っておりましたので、サイン等グラフィックワーク、積算業務からコンピュータに移行しました。この積算業務で使っていた Microsoft Excel 2.2/4.0 で、初めて自分でプログラムを組みました。マクロで書いた、項目の小計 / 集計プログラムです。ルーチンや変数名など、今見るとちょっと恥ずかしくなる様な物なのですが、ちゃんと動いてしまうので、弊社では未だ現役です。既にサポートもしていないのですが、弊社以外の数社でもまだ働いているのではないでしょうか。
この頃は、今ほど Macintosh が一般的でなく情報源に乏しかったので、情報収集のため通信ネットワークには早くから参加していました。インターネットも当初はパソコン通信をゲートウェイにして接続し、個人を対象にするプロバイダーが出て来てからは直接接続していました。
当時は、この仕事をしていると、独立する際には大型のドラフターを導入する事が当たり前だったのですが、既にスケッチ以外は Macintosh 上で作業する事にしていましたので、導入しませんでした。印刷した図面のハンドリングも考え、A3 サイズをメインとする事として、青焼きも止めました。
独立して事務所を構えて25年を超えました。
以前からのインテリア関連のデザイン(設計施工)を柱に、紙媒体を対象としたグラフィックデザイン、ウェブデザイン等を行ってきました。
ウェブデザインは黎明期と言えるかどうかわかりませんが、1996年から某アパレルデザイナーズブランドのオフィシャルサイトを、10年間程製作管理してきました。まだ大部分はスタティックな作り方をしていましたが、一部に顧客更新型のプログラムを設計導入してインタラクティブ化していました。この頃にウェブアプリケーションの基礎を独学で学びました。